オルカンとは?4年9ヶ月持ってわかった中身と注意点

投資・資産運用

「オルカンがいいと聞くけれど、中身が何なのかよくわからない」。そんな人に向けて、オルカンの中身と注意点を、運用会社の月報の数値をもとに整理しました。

私は2021年8月からオルカンを保有しています。楽天証券で積み立てた分は、4年9ヶ月で評価損益率約112%になりました(2026年5月時点)。数値の解説に加えて、S&P500の方が成績は上だったのにオルカンを選んだ理由や、下落局面での実感も紹介します。

この記事でわかること
  • オルカンの中身(連動する指数、銘柄数、国・地域と業種の比率)
  • 4年9ヶ月保有してわかったメリットとデメリット
  • 初心者がオルカン1本で始めてよいかの判断材料

オルカンとは?1本で全世界の株式に投資できる投資信託

正式名称と連動する指数

オルカンは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の愛称です。三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドで、2018年10月に設定されました。

連動を目指す指数は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」です。日本を含む先進国と新興国の株式で構成される指数で、オルカンを1本買えば、この指数に含まれる世界中の企業にまとめて投資できます。指数に連動する仕組みそのものは『インデックス投資とは?仕組みと初心者に向いている理由を運用実績で解説』で解説しています。

中身は約2400銘柄、米国が6割強

運用会社の月報(2026年8月末時点)によると、組入銘柄数は約2400銘柄です。国・地域別では米国が6割強を占め、日本は約5%にとどまります。

順位国・地域比率
1米国62.8%
2日本5.0%
3台湾3.2%
4イギリス3.1%
5カナダ3.0%

※出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2026年8月31日時点)

業種では情報技術が約3割で最大です。組入上位の銘柄もNVIDIA、Apple、Microsoftと米国の大手IT企業が並びます。「全世界」とはいえ、米国企業の影響が大きい構成です。

構成比率は、各国の株式市場の規模(時価総額)に応じて決まります。ある国の企業が成長すれば比率は自然に高まり、停滞すれば下がるので、自分で配分を見直す必要はありません。

分配金を出さず、利益は運用に回る

オルカンは設定以来、分配金を一度も出していません(2026年4月の決算時点)。運用で得た配当などはファンドの中で再投資され、基準価額に反映されます。

分配金を受け取る手間も、そのたびにかかる税金もないため、長く持つほど複利の効果を活かしやすい仕組みです。投資信託の種類やコストの見方は『投資信託とは?仕組み・種類・選び方を初心者向けに完全解説』にまとめています。

私がオルカンを4年9ヶ月保有してきた記録

きっかけはポイント還元だった

私の投資の中心は個別株で、投資信託は資産の一部という位置づけです。楽天証券でオルカンの積立を始めたのは2021年8月でした。

当時はPOSAカードや楽天キャッシュを組み合わせて投資信託を買うと、楽天ポイントがもらえました。入金額に対して1%超のポイントが確実に付くことに惹かれたのがきっかけで、「インデックス投資で稼ごう」という気持ちはあまりありませんでした。

どちらが自分に合うかを見極めるため、オルカンとS&P500を交互に買っていました。楽天証券での積立は2023年6月で止め、その後は保有だけを続けています。

楽天証券で積み立てた分は評価損益率約112%

楽天証券で積み立てたオルカンは、最初の購入から4年9ヶ月で評価損益率約112%になりました(2026年5月時点)。同じ時期に積み立てたS&P500は約129%で、成績はS&P500の方が上です。

長期の株式投資では、年平均7%前後が目安とされることがあります。私が保有してきた期間は、それを上回る値上がりが続きました。ポイント目当てで始めた当初の想定を、大きく上回る結果です。

S&P500の方が成績は上でもオルカンを選んだ理由

それでも、2026年9月時点で私が新NISAのつみたて投資枠で積み立てているのはオルカンです。SBI証券で、月10万円の上限まで積み立てています。

選んだ理由は、米国1強が今後も続くかどうかはわからないと考えたからです。米国の成長に賭けるのも一つの選択ですが、私は米国以外の成長も取りこぼさない方が、下落局面でも持ち続ける納得感を得られると感じました。S&P500そのものの特徴は『S&P500とは?4年9ヶ月持ってわかった中身と注意点』で解説しています。

長く持ち続けるうえでは、成績の差よりも、その商品を選んだ考え方に自分が納得できているかが大事だと考えています。2本の違いをリターンやリスクで比べたい人は『オルカンとS&P500どっちを選ぶ?4年9ヶ月両方持って決めた基準』を参考にしてください。

オルカンのメリット

1本で約2400銘柄に分散できる

個別株では、1社の業績悪化や倒産が資産に直接響きます。オルカンなら約2400銘柄に分かれているため、一部の企業が不振でも、ほかの企業の成長で補える構造です。

国の面でも、先進国と新興国の両方に投資しています。どの国が伸びるかを予想しなくても、成長した国の比率が自然に高まっていくので、初心者でも迷わず持ち続けられます。

保有コストが年0.05775%と低い

保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)は、年0.05775%(税込)以内です。100万円を1年持っても、コストは600円に届きません。購入時の手数料や、解約時の信託財産留保額もかかりません。

コストの差は、保有期間が長いほど効いてきます。世界全体に分散したうえでこの水準なので、コスト面の不満はありません。

積立設定をすれば、ほぼ手間がかからない

一度積立設定をすれば、あとは毎月自動で買い付けが続きます。私はクレジットカード積立を設定していて、することは年1回ほど設定を見直す程度です。

個別株のように決算を確認したり、売買のタイミングを考えたりする必要もありません。仕事や育児で時間が限られていても、続けやすい投資法です。

オルカンのデメリットと注意点

短期で大きなリターンは狙えない

オルカンが目指すのは、世界の株式市場の平均的な成長です。個別株のように、1年で株価が数倍になる展開はまず期待できません。

年平均7%前後という目安も、毎年その程度増えるという意味ではありません。20%以上上がる年もあれば、大きく下がる年もあります。10年以上、できれば15年以上持つ前提で考えたい商品です。

世界的な下落では同じように下がる

世界中に分散していても、世界的な株安が起きれば、オルカンの基準価額も下がります。分散で避けられるのは特定の国や企業の不振であり、市場全体の下落ではありません。

保有中に特に印象に残っているのは、2024年8月と2025年4月の下落です。どちらも投資信託の評価額が1割以上減り、「このまま下がり続けたら」「今売れば傷が浅いのでは」と考えました。

それでも売らず、積立設定も変えずに買い続けたことで、その後の値上がりも受け取れています。下落局面で避けたい行動は『暴落時にやってはいけない行動5選|資産を減らさないための注意点』にまとめています。

「全世界」でも米国とIT企業の比重が大きい

中身の6割強は米国株で、業種では情報技術が約3割を占めます。米国市場やIT企業の株価が崩れると、オルカン全体の値動きにも大きく響きます。

世界に均等に分散しているわけではない点は、理解しておきたいところです。米国の比率は市場規模に応じて変わりますが、それは米国株の値下がりが起きた後で反映される動きです。

為替の影響を受ける

オルカンは為替ヘッジを行いません。海外の株価が変わらなくても、円高になれば円での評価額は下がり、円安になれば上がります。

月報の変動要因を見ると、設定来の値上がりには円安による押し上げも含まれています。私が保有してきた期間の好成績も、為替が逆に動けば目減りする可能性がある点は意識しています。

オルカン1本で十分か

投資を始めたばかりで、何を買うか決めきれない人にとっては、オルカン1本で十分だと考えています。世界の株式にまとめて分散でき、商品選びや配分の見直しに悩む時間を減らせるからです。オルカン以外の選択肢も含めて迷っている人は『投資初心者は何から始めるべきか?最短ルートを解説』を参考にしてください。

ただし、私自身はオルカンだけを持っているわけではありません。資産の中心は日本の個別株です。オルカンに含まれる日本株と重なる部分はありますが、日本の比率は約5%なので気にしていません。

同じ全世界株式でも、日本を除いたタイプなど似た商品があります。私も積立先を見直す過程で「除く日本」を買っていた時期があり、今も売らずに保有しています。似た商品の違いの見分け方は『投資信託の比較方法|似た商品の違いをどう見分けるか』で解説しています。

すでに複数のファンドを持っている人も、無理に整理する必要はありません。これから積み立てる先を1本に絞るだけで、管理はシンプルになります。

オルカンの始め方

始めるのに必要なのは、証券口座の開設、積立設定、商品選びの3つです。証券口座はSBI証券か楽天証券を選べば十分で、私は両方使っていますが、同じオルカンなら証券会社によって運用成績が変わることはありません。

新NISAのつみたて投資枠で積み立てれば、運用益に税金がかかりません。制度の全体像は『新NISAとは?旧NISAとの違いと2つの投資枠の使い分け』にまとめています。

商品を選ぶときは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という正式名称を確認してください。名前の似た全世界株式ファンドがほかにもあるため、取り違えを防げます。

口座開設には本人確認などの手続きがあり、申し込んだその日に買えるとは限りません。口座開設から積立設定までの具体的な手順は『新NISAの始め方|口座開設で失敗しないための全手順』で解説しています。

よくある質問

Q. いくらから始められますか?

証券会社によっては、月100円から積み立てられます。金額よりも、途中でやめずに続けることの方が大切です。無理のない金額で始め、慣れてきたら増やしていけば十分です。

Q. いつまで持てばいいですか?

いつ使うお金なのかを決めてから始めるのがおすすめです。私自身も、教育資金や老後資金という目的を決めていることが、長く持ち続ける支えになっています。保有期間は10年以上を前提に考えてください。

まとめ

  • オルカンとは:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動し、1本で約2400銘柄に投資できる投資信託(2026年8月末時点)
  • 中身:米国が6割強、業種は情報技術が約3割で、全世界でも米国・ITの影響が大きい
  • 私の実績:楽天証券で積み立てた分は4年9ヶ月で評価損益率約112%(2026年5月時点)
  • メリット:分散、年0.05775%の低コスト、積立設定後の手間の少なさ
  • デメリット:短期で大きく増えない、世界的な下落や為替の影響を受ける
  • 1本で十分か:何を買うか決めきれない初心者の最初の1本としては十分

次のアクション まずは証券口座を開き、月1万円からでもオルカンの積立設定をしてみてください。私も最初は、ポイント還元をきっかけに気軽な気持ちで始めました。

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