S&P500という名前はよく聞くけれど、何に投資しているのか、オルカンと何が違うのかがわからない。そんな人に向けて、S&P500の中身と注意点を整理しました。
私は2021年8月から、楽天証券でS&P500とオルカンを交互に積み立ててきました。2026年5月時点で、S&P500の評価損益率は約129%です。成績が上だったS&P500を売らずに持ち続けながら、積立先はオルカンに絞った理由も紹介します。
- S&P500の仕組みと、中身(組入上位の企業)
- 楽天証券で4年9ヶ月保有したS&P500とオルカンの成績(2026年5月時点)
- S&P500の注意点と、オルカンとどちらを選ぶかの考え方
S&P500とは?米国の主要企業で構成される株価指数
米国株式市場を代表する指数
S&P500とは、米国のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出している株価指数です。ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場する企業のうち、米国を代表する約500社で構成されています。
算出会社によると、S&P500は米国株式市場の時価総額の約8割をカバーしています。S&P500の値動きを見れば、米国株式市場全体の動きがおおむねわかるということです。指数に連動する仕組みそのものは『インデックス投資とは?仕組みと初心者に向いている理由を運用実績で解説』で解説しています。
個人は連動する投資信託で買う
指数そのものは買えないため、個人はS&P500に連動する投資信託を買うのが一般的です。私が保有している「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」もその一つで、2018年7月に設定されました。
為替ヘッジは原則として行わないため、円とドルの為替の動きも基準価額に反映されます。保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)は年0.0814%です(2026年8月31日時点)。投資信託の種類やコストの見方は『投資信託とは?仕組み・種類・選び方を初心者向けに完全解説』にまとめています。
中身は米国の大手IT企業の比重が大きい
S&P500は、企業の規模(時価総額)に応じて組入比率が決まります。そのため、規模の大きい企業ほど比率が高くなります。
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | NVIDIA | 7.9% |
| 2 | Apple | 7.0% |
| 3 | Microsoft | 5.7% |
| 4 | Amazon.com | 3.9% |
| 5 | Alphabet(クラスA) | 2.9% |
| 6 | Broadcom | 2.6% |
| 7 | Alphabet(クラスC) | 2.5% |
| 8 | Meta Platforms | 1.9% |
| 9 | Micron Technology | 1.6% |
| 10 | Tesla | 1.5% |
※出典:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)組入上位銘柄(2026年8月31日時点、Yahoo!ファイナンス掲載データ)
上位10銘柄だけで約4割(37.5%)を占め、その多くが米国の大手IT企業です。約500社に分散しているとはいえ、一部の大企業の値動きに大きく左右される構成です。
私がS&P500を4年9ヶ月保有してきた記録
きっかけはポイント還元だった
私の投資の中心は個別株で、投資信託は資産の一部という位置づけです。楽天証券でS&P500の積立を始めたのは2021年8月でした。
当時はPOSAカードや楽天キャッシュを組み合わせて投資信託を買うと、楽天ポイントがもらえました。入金額に対して1%超のポイントが確実に付くことに惹かれたのがきっかけです。
せっかくなら、どちらが自分に合うかを確かめたいと考えました。そこで、月5万円の積立でS&P500とオルカンを交互に買いました。楽天証券での積立は2023年6月で止め、その後は保有だけを続けています。
楽天証券で積み立てた分は評価損益率約129%
最初の購入から4年9ヶ月、2026年5月時点の評価損益率は次のとおりです。
- S&P500:約129%
- オルカン:約112%
同じ期間に同じ方法で買った2本で、S&P500が約17ポイント上回りました。この期間は、米国企業の成長が世界の株式市場を引っ張っていたことを、数字で実感しています。オルカン側の中身と記録は『オルカンとは?4年9ヶ月持ってわかった中身と注意点』で解説しています。
下落局面ではオルカンと同じような動きだった
保有中に特に印象に残っているのは、2024年8月と2025年4月の下落です。S&P500もオルカンも大きく値下がりしましたが、2本の下がり方に大きな違いはなく、同じような動きでした。
オルカンも6割強が米国株なので(2026年8月末時点)、米国市場が下がれば両方とも下がります。持っていて感じる不安にも違いは特にありませんでした。どちらも売らずに持ち続け、その後の回復を受け取っています。
積立はオルカンに絞っても、S&P500は売らない
それでも、2026年9月時点で私が新NISAのつみたて投資枠で積み立てているのはオルカンです。成績で上回ったS&P500を積立先に選ばなかった理由は、後半の「S&P500とオルカン、どちらを選ぶか」で説明します。
一方で、楽天証券やほかの口座で以前に買ったS&P500は、売らずに持ち続けています。一番大きな理由は、特定口座で売ると利益に税金がかかるからです。
もともと長期で資産を育てる目的で買ったものなので、積立先を変えたことを理由に売る考えはありません。時間をかけて複利の効果を受け取り、お金が必要になった時に売却する計画です。
S&P500のメリット
米国の成長をまとめて取り込める
S&P500を1本買えば、米国を代表する約500社にまとめて投資できます。どの企業が伸びるかを自分で選ぶ必要はありません。
S&P500の組入企業の多くは、米国内だけでなく世界中で事業を展開しています。米国企業を通じて、世界の需要の一部も取り込める構造です。
人口増加が見込まれる先進国に投資できる
日本や欧州の多くの国が人口減少に向かう中で、米国は移民の受け入れもあり、人口増加が見込まれる数少ない先進国です。
働く人や消費する人が増えれば、企業の売上も伸びやすくなります。長く持つほど、この差は効いてくると考えています。
保有コストが年0.0814%と低い
運用管理費用は年0.0814%です。100万円を1年持っても、コストは1千円に届きません。
コストの差は、保有期間が長いほど資産の増え方に響きます。米国の主要企業にまとめて投資できてこの水準なので、コスト面の不満はありません。
S&P500の注意点
米国と大手IT企業に偏っている
S&P500の投資先は米国企業だけです。日本や欧州、新興国の企業は含まれないため、米国の株式市場が不調になると、ほかの地域で補うことができません。
さらに、上位10銘柄で約4割を占め、その多くが大手IT企業です。約500社に投資していても、一部の大企業の業績に成績が左右されやすい構成です。
米国の成長が鈍ると影響を直接受ける
米国経済の成長が鈍れば、S&P500の成績も大きく落ちます。「米国1強がこの先も続くのか」という問いが、保有中ずっとついて回る商品です。
米国が衰退する可能性は低いと考えていますが、ゼロではありません。私はこの不安を手放したくて、積立先を世界全体に投資するオルカンにしました。
為替の影響を受ける
為替ヘッジを行わないため、円高になれば円換算の資産は目減りします。円安はリターンを押し上げる方向に働きますが、為替の動きは誰にも予測できません。
私自身、投資信託を買い始めた頃は、ここまで円安が進むとは思っていませんでした。為替の上下は長く持つことでならす前提で考えています。
短期で大きく増やす商品ではない
S&P500は、米国株式市場全体の成長を受け取る商品です。1年で数倍になるような値上がりは期待できません。
私の4年9ヶ月の成績も、過去の平均を上回る値上がりが続いた期間のものです。同じ成績がこの先も続くとは限らないので、10年以上持つ前提で始める方がいいと思います。
S&P500とオルカン、どちらを選ぶか
どちらも、低コストで長く持てる選択肢です。米国の成長に賭けたいならS&P500、米国以外も含めた世界全体の成長を取りこぼしたくないならオルカン、と考え方で選べば十分です。
私自身の成績ではS&P500が上でしたが、積立先はオルカンを選びました。米国1強が今後も続くかはわからないと考えており、世界全体に投資する方が、下落局面でも持ち続ける納得感を得られたからです。2本の違いをリターンやリスクで比べたい人は『オルカンとS&P500どっちを選ぶ?4年9ヶ月両方持って決めた基準』を参考にしてください。
自分で選べない、どう選べばよいかわからない人には、オルカンをおすすめしています。一方で、すでにS&P500を問題なく続けている人は、無理にオルカンへ変える必要はありません。
同じS&P500に連動する投資信託でも、運用会社ごとに複数の商品があります。名前の似た商品の見分け方は『投資信託の比較方法|似た商品の違いをどう見分けるか』で解説しています。
S&P500の始め方
始めるのに必要なのは、証券口座を開き、S&P500に連動する投資信託の積立設定をすることです。証券口座は、私も使っているSBI証券か楽天証券を選べば十分です。口座開設から購入までの手順は『新NISAの始め方|口座開設で失敗しないための全手順』で解説しています。
積立は、新NISAのつみたて投資枠を使えば、値上がり益や分配金に税金がかかりません。2つの投資枠の違いは『新NISAとは?旧NISAとの違いと2つの投資枠の使い分け』で解説しています。
一度積立設定をすれば、あとは毎月自動で買い付けが続きます。私はクレジットカード積立を設定していて、年に1回ほど設定を見直す程度です。インデックス投資と個別株のどちらから始めるか迷っている人は『投資初心者は何から始めるべきか?最短ルートを解説』を参考にしてください。
よくある質問
Q. いくらから始められますか?
証券会社によっては、月100円から積み立てられます。金額よりも、途中でやめずに続けることの方が大切です。無理のない金額で始め、慣れてきたら増やしていけば十分です。
Q. 暴落した時はどうすればいいですか?
私は2024年8月と2025年4月の下落でも、売らずに積立設定も変えませんでした。売った時点で損失が確定し、その後の回復を受け取れなくなるからです。
下落局面で持ち続けられるかどうかは、なぜその商品を選んだのかに自分が納得できているかで決まると考えています。
まとめ
- S&P500とは:米国を代表する約500社で構成される株価指数で、米国株式市場の時価総額の約8割をカバー
- 中身:上位10銘柄で約4割を占め、米国の大手IT企業の比重が大きい(2026年8月31日時点)
- 私の実績:楽天証券で積み立てた分は4年9ヶ月で評価損益率約129%、オルカンは約112%(2026年5月時点)
- メリット:米国の成長をまとめて取り込める、人口増加が見込まれる、年0.0814%の低コスト
- 注意点:米国とIT企業への偏り、米国の成長鈍化と為替の影響、短期では大きく増えない
- 選び方:考え方で選ぶ。迷ったらオルカン、S&P500を続けている人は無理に変えなくてよい
次のアクション まずは証券口座を開き、S&P500とオルカンのどちらの考え方が自分に合うかを決めてから、積立設定をしてみてください。どちらを選んでも、大切なのは長く持ち続けることです。

