- SBI証券と楽天証券、それぞれの強みと弱み
- 両方の証券口座を持ち続けてわかった使い分けの実態
- 証券会社選びで銀行口座との連携まで見るべき理由
- NISA口座をどちらで開くかの判断基準
結論
証券口座そのものの使いやすさなら楽天証券、銀行口座との連携を含めた資金管理のしやすさならSBI証券です。
私は2013年にSBI証券、2021年に楽天証券の口座を開き、今も両方を持っています。それでもメインにしているのはSBI証券です。理由は還元率でも手数料でもなく、住信SBIネット銀行との連携が自分の資産管理に合っていたからでした。
新NISAを始めようとして、SBI証券と楽天証券のどちらにするか決めきれない。比較サイトを何本も読んだのに、どちらも「大きな差はない」で終わってしまう。そこで止まっている方は多いと思います。
NISA口座は1人1口座しか持てません。だから迷います。ここでは制度の一覧表ではなく、両方の証券口座を実際に持ち続けてきた経験から、何を基準に選んだのかをお伝えします。新NISAの制度そのものがまだ曖昧な方は、先に「新NISAとは?初心者が知るべき基本と始め方【2026年版】」を読んでおくと、この先の話が入りやすくなります。
なぜ私は両方の証券口座を持つことになったのか
2013年、最初に選んだのはSBI証券
SBI証券の口座を開いたのは2013年です。当時からネット証券の中では手数料が安く、取扱商品も多いことが決め手でした。
株式投資はまったくの初心者でした。自分に口座が開けるのか不安で、初心者向けの雑誌を1冊買って全体の流れをつかんでから申し込んだことを覚えています。手続き自体はサイトの案内どおりに入力するだけで、専門知識は要りませんでした。
2021年、楽天証券はポイント目的で「追加」した
楽天証券の口座を開いたのは2021年です。乗り換えではなく、追加でした。
きっかけはクレカ積立の還元率です。楽天カードでの投信積立にポイントが付き、積み立てるだけでリターンを上乗せできる。同じ投資信託を買うなら、少しでも成績が上がる買い方をしたい。ポイントがもらえる分だけ資産形成が前に進むと考えました。
当時の私は旧NISAのうち一般NISAを個別株に使っていました。投資信託は特定口座で持つ前提です。その中で一番有利な買い方は何かを探していた時期でもありました。
その後、クレカ積立の還元率が引き下げられます。そこで移行したのが、ファミペイ経由のルートでした。クレジットカードからファミペイにチャージしてポイントを得て、ファミペイでPOSAカード(楽天ギフトカード)を購入し、楽天キャッシュにチャージして投資信託を買う。ポイントを二重に取れる方法です。
株価は自分でコントロールできません。ポイント還元は条件さえ満たせば確実に得られます。この差は大きいと考えていました。もともと楽天市場をよく使っていたことも後押しになりました。
2024年6月、制度改定でSBI証券に一本化した
この方法は2024年6月に終わります。チャージ時点で付いていた0.5%のポイントが廃止され、二重取りができなくなりました。
同じ時期に新NISAが始まりました。SBI証券の三井住友カードによる投信積立と比べて、楽天ルートの優位性はほとんど残っていません。結果として、新NISA以降の積立はSBI証券に集約しました。
今、私が実際にどう使っているか
楽天証券は「保有だけ」の証券口座になった
現在、楽天証券で新規に買っている商品はありません。以前積み立てた投資信託を持っているだけの証券口座です。
それでも解約していません。特定口座の投資信託を売れば利益が確定し、課税される可能性があります。証券口座を維持するのに費用はかかりません。売ってまで整理する理由が見つからないのです。
SBI証券のクレカ積立は月10万円・還元率1%
メインのSBI証券では、三井住友カード ゴールド(NL)でクレカ積立をしています。毎月10万円を投資信託に積み立てて、還元率1%。毎月1000ポイントが貯まります。
年間で1万2千ポイント。積み立てる金額が同じなら、決済方法を変えるだけで生まれる差です。ただしポイントのために投資額を増やすのは順番が逆になります。あくまで同じ投資をするなら、という前提の話です。
決め手は還元率ではなく銀行口座との連携だった
SBI証券を使い続けている理由を還元率だと思われることがありますが、実際は違います。
一番大きいのは住信SBIネット銀行との連携です。SBIハイブリッド預金に入れたお金はSBI証券の買付余力として反映されるため、投資したいときにすぐ動けます。株価が大きく下がった局面で、銀行口座から証券口座へ資金を移す手間がないことは想像以上の価値がありました。投資に回す待機資金はここに置いています。
同じ銀行口座の目的別口座も気に入っています。こちらは投資用ではなく、車の買い替えや旅行といった特別費を分けて管理するために使っています。生活のお金と投資のお金の置き場所が分かれていると、判断に迷いません。
楽天証券にも楽天銀行との「マネーブリッジ」があります。仕組みとしては近いものです。私の資産管理の方法には、目的別口座まで揃った住信SBIネット銀行の側が合っていました。
配当を軸にした投資の考え方は「高配当株とは?配当利回りの仕組みをわかりやすく解説」でまとめています。
正直に言うと、使いやすいのは楽天証券
SBI証券の短所:機能が多く、画面が複雑
両方を使ってきて、証券口座の画面そのものの使いやすさは楽天証券の方が上だと感じています。表示が見やすく、操作が直感的です。投資を始めたばかりの人には向いていると思います。
SBI証券は機能が多い分、どこに何があるかがわかりにくい。慣れれば問題ありませんが、最初の数回は戸惑うかもしれません。私は13年使っているので気にならなくなっただけで、これから始める人には短所として働く可能性があります。
楽天証券の短所:ポイント制度は変わる
私が楽天証券の口座を開いた理由だったクレカ積立の還元率は、その後引き下げられました。代わりに使っていたファミペイ経由のルートも2024年に閉じました。
開設の理由が2回とも制度改定でなくなったわけです。これは楽天証券に限った話ではありません。SBI証券の還元率も今後変わる可能性があります。
制度は変わる前提で選ぶ
13年間で「別の証券会社にすればよかった」と後悔したことはありません。制度が変わるたびに条件を確認し、その時点で有利な方法を選んできたからです。
その時々の還元率だけを見て頻繁に乗り換えるより、自分の投資スタイルに合う証券会社を選ぶ。制度が変わったら対応する。この順番の方が結果的に消耗しません。
どちらでNISA口座を開くべきか
NISA口座は1人1つです。まずどちらか一方を選ぶことになります。
画面の見やすさを最優先するなら楽天証券
投資が初めてで、操作に不安がある。この場合は楽天証券が向いています。実際に触ったときのわかりやすさは、続けられるかどうかに直結します。
楽天経済圏を使っているなら楽天証券
楽天市場での買い物が多く、楽天カードや楽天銀行をすでに使っている。この状態なら楽天証券を組み合わせるメリットは大きくなります。生活で貯まるポイントと投資が一本の線でつながります。
資金管理のしやすさまで含めるならSBI証券
証券会社は証券口座だけで選ぶものではないと考えています。実際に使うのは証券口座と銀行口座のセットだからです。
SBIハイブリッド預金に投資用の資金を置き、必要なときにすぐ買い付ける。特別費は目的別口座で分けておく。この流れが自分に合っていたことが、私がSBI証券をメインにしている理由です。
私の場合、買い付けの対象は投資信託だけではありません。配当や株主優待をねらった個別株を、株価が下がった局面で少しずつ買い増しています。優待そのものの仕組みは「株主優待とは?生活費を下げる制度の仕組みと本当の効果」で解説しています。
非課税枠を使い切ってから、もう一方を考えればいい
最初から両方の証券口座を開く必要はありません。NISA口座は1つしか持てず、管理する口座が増えれば手間も増えます。
非課税枠を使い切って、特定口座でも投資を続ける段階になったとき。そこで初めてもう一方を検討すればじゅうぶんです。私が楽天証券を追加したのも、その順番でした。
私自身は今後も両方の証券口座を持ち続けるつもりです。SBI証券も楽天証券もそれぞれに良さがあり、これまで見てきたとおり制度は変わります。次に有利な条件が出たとき、すぐ選べる状態にしておきたいからです。NISA枠の中だけで投資する方には、ここまで考える必要はありません。
まとめ
- どちらも大手ネット証券で、選び間違えて大きく損をするような差はない
- 証券口座の使いやすさは楽天証券、銀行口座との連携を含めた資金管理のしやすさはSBI証券
- ポイント制度は必ず変わる。今の還元率だけで決めず、自分の資産管理の形に合う方を選ぶ
私は13年間SBI証券をメインに使い、途中から楽天証券も併用しました。振り返って一番効いたのは、どちらを選んだかではなく、途中でやめずに投資を続けたことでした。
証券会社を決めたら、次は口座開設です。必要書類の準備からNISA口座の設定まで、つまずきやすい箇所を含めた手順は「新NISAの始め方|口座開設で失敗しないための全手順」にまとめています。
なお、クレカ積立の設定方法と各社の還元率の詳しい比較については、別途記事を用意する予定です。
