配当再投資の考え方|使うか増やすかは状況で選べばいい

投資・資産運用

配当が振り込まれたとき、そのまま使うか、また株を買うか。迷ったことはないでしょうか。

私の答えは、その時の自分にとって価値がある方を選べばいい、です。本格的に日本の高配当株へ投資を始めて4年ほど。年間の配当は2025年に税引後で約104万円になりました。その間、再投資もしてきましたし、旅行費用に充てたこともあります。

配当は必ず再投資しなければならないお金ではありません。

この記事でわかること
  • 配当を再投資するか使うかを判断するときの考え方
  • 効率の面ではインデックス投資と何が違うのか
  • 再投資する場合の具体的なやり方と、事前に準備しておくこと
  • 配当がまだ少ない時期に、どう買い進めていけばいいか

配当を再投資すると何が起きるのか

配当で買った株が、翌年また配当を生みます。これが再投資の仕組みのすべてです。

たとえば配当が10万円入ったとします。利回り3%の株を10万円分買えば、翌年その株から3千円の配当が入ります。この3千円もまた投資に回せる。金額としては小さくても、これを何年も続けると、自分が入金していないお金が配当を生む部分が少しずつ育っていきます。

私が実感しているのも、まさにこの部分です。最初は自分のお金を投じて配当をもらうという状態でした。今は、配当が次の配当を生んでいる感覚があります。

配当や利回りの基本的な仕組みについては「高配当株とは?配当利回りの仕組みをわかりやすく解説」でまとめています。

増配と買い増しは、効果の出方が違う

配当が増える理由は2つあります。企業が配当額を引き上げる増配と、自分で株数を増やす買い増しです。

増配は、追加でお金を出していないのに翌年の配当が増えます。保有している企業から増配の発表があると、持ち続けているだけで配当が増えたことになります。ここは投資家側が何かをした結果ではありません。

買い増しは違います。投じた分だけ、配当を生む元本そのものが増えます。配当を再投資して買った株から翌年また配当が入る。この積み重ねが再投資の効果です。

どちらか一方ではなく、両方が同時に効いてきます。

NISA口座かどうかで、再投資に回せる額が変わる

配当には通常20.315%の税金がかかります。10万円の配当なら、手元に残るのは約8万円。再投資できるのもその約8万円です。

NISA口座で保有していれば、この税金がかかりません。我が家の場合、保有株のうち新NISAで45.9%、旧NISAで13.2%を保有していて、合計すると約59%が非課税です。配当全体にかかる実効税率は約8%にとどまっています。全額が特定口座だった場合と比べると、手取りは1割以上変わる計算になります。

再投資を前提にするなら、この差は年々効いてきます。まだNISA口座を持っていない段階であれば、口座開設の手順を「新NISAの始め方|口座開設で失敗しないための全手順」にまとめました。

効率だけを比べるなら、インデックス投資の方が有利

ここははっきり書いておきます。お金を増やす効率という一点で見るなら、高配当株の配当を再投資するやり方が最適解ではありません。

配当は受け取った時点で課税されます。特定口座なら20.315%。10万円の配当なら約2万円が引かれ、次の投資に回せるのは約8万円です。増やす過程で一度税金を払う分、そこでロスが出ます。

一方、オルカンやS&P500といったインデックスファンドは、分配金を出さずにファンドの中で再投資する形が主流です。受け取りの段階で課税されないので、同じ利回りなら複利は速く効きます。効率を最優先するなら、こちらの方が理にかなっています。

それでも私が高配当株を持っているのは、配当が現金として振り込まれるからです。口座の残高が動き、投資が成果を出していることが目に見えます。この実感があったから続けてこられた面は確実にあります。私の場合はオルカンの積立も並行していて、どちらか一方を選んでいるわけではありません。

効率で見るか、実感で見るか。ここを分けて考えると、自分に合う配分が決めやすくなります。

私が配当をどう扱ってきたか

再投資が中心ですが、全額ではありません。

配当の記録を残すようになった2022年時点で、年間約33万円。2023年が約43万円、2024年が約69万円、2025年が約104万円です。いずれも税引後の金額になります。

この増え方には、配当の再投資だけでなく、給与からの追加投資、新規銘柄への投資、保有銘柄の増配が混ざっています。どの要因で何万円増えたのかを分けて記録してはいません。追加投資額のうち配当由来がいくらかを区別して管理していないからです。

ただ、4年で3倍を超えたことを考えると、受け取って終わりにせず投資に回してきたことは、この金額を作った要因のひとつだと感じています。資産全体の推移は「13年で資産9000万円達成|リアルな資産推移と再現性ある投資戦略」で公開しています。

配当を「再投資用のお金」として分けていない

配当は毎月のように入ってきます。保有している銘柄の配当時期がばらけているためです。金額は数千円のこともあれば、数万円のこともあります。

ただ、入ってきた配当を再投資用として取り分けてはいません。

SBI証券では住信SBIネット銀行のSBIハイブリッド預金を使っています。この預金の残高はそのまま証券口座の買付余力になる仕組みです。入金した資金の余りも自動でここへ移ります。配当も同じ場所に入るので、もともと待機していた資金と混ざります。

配当が5万円入ったから5万円分をすぐ買う、という動き方はしていません。買いたい銘柄が自分の基準まで下がったときに、その時点の待機資金から買う。配当はその資金の一部という扱いです。

この形だと、配当を再投資用として管理する手間がかかりません。次の投資に自然につながっていきます。

買い増しリストを常に用意している

配当が入ってから投資先を探すことはありません。

高配当株の買い増しリストを常に作っています。この銘柄がこの水準まで下がったら買いたい、という候補をあらかじめ書き出しておくやり方です。買うタイミングが来たら、そこから選びます。

配当が入った銘柄を機械的に買い増すこともしていません。同じ銘柄を買い続けると、その企業への依存度が上がってしまうからです。

選ぶ基準は、利回りではなく全体のバランス

買い増し先を決めるとき、一番利回りが高い銘柄を選ぶという考え方はしていません。今のポートフォリオを見て、どこを買い足すと全体のバランスが良くなるかで判断しています。

具体的なルールは4つあります。

  • ひとつのセクター(業種)が全体の20%を超えないようにする
  • 1銘柄からの配当が、年間配当総額の3%を超えないようにする
  • 景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄の比率を高めに保つ
  • 原則として10年以上減配していない企業を投資対象にする

高配当株というと利回りの高い銘柄を探すイメージがあるかもしれません。私が重視しているのは、特定の企業の業績に左右されにくい配当を作ることです。1銘柄あたりの配当を全体の3%以内に抑えていれば、1社が無配になっても年間配当が3%減るだけで済みます。

資産が少なかった頃は単元未満株を買っていた

日本株は原則100株単位です。配当が年間20万円から50万円くらいの時期だと、月に入る額は数千円から数万円。これだけで100株を買える銘柄はそう多くありません。

私も資産がまだ少なかった頃は、単元未満株を買うことが多くありました。100株に満たない株数でも買える仕組みです。

100株買えるまで資金を貯めるという発想は持っていませんでした。100株単位で買おうとすると1銘柄あたりの金額が大きくなり、かえって特定の銘柄に偏るからです。少額ずつ複数の銘柄に投じた方が、その時期の自分には合っていました。

資産や配当が少ない段階でも、銘柄数を増やしながら分散を進められたのはこのやり方のおかげです。

最近は総投資額が大きくなり、保有銘柄が増えすぎることの管理の手間が気になるようになりました。今は単元化できる銘柄を積極的に単元にまとめています。投資額が小さい時期は少額でも分散すること、資産が育ってきたら分散を保ちながら管理しやすい形にすること。重視する点は時期によって変わりました。

インデックスファンドへは、配当を直接回していない

オルカン(eMAXIS Slim全世界株式・オール・カントリー)などの投資信託は、毎月の積立で買っています。配当をそのまま投信の買付に充てるという形は取っていません。

考え方としては、配当が入った分だけ給与から積立に回す金額を減らすこともできます。そうすれば、その分のお金は別の用途に使えます。配当が家計の余剰を増やす、という捉え方です。

インデックス投資の仕組みそのものは「インデックス投資とは?初心者が知るべき始め方と失敗しない方法」で解説しています。

再投資だけが正解ではない

配当をディズニーランドの旅行費用に充てたことがあります。ディズニーホテルに泊まった、家族での旅行でした。結構な出費になりました。

配当の何割までなら使っていい、というルールは決めていません。使うかどうかを決めるとき見ているのは、そのお金を使うことで自分や家族にどんな価値があるかです。家族でディズニーランドに行き、ホテルに泊まって一緒に過ごす。今しかできない経験にお金を使う価値があると考えて、旅行費用の一部に配当を充てました。

配当がなくても、この旅行には行けたと思います。それでも、配当を使ったことで、投資してきたお金が家族との時間に変わったという実感がありました。資産額や配当額を増やすことに目が向きがちですが、投資の目的はお金を増やすこと自体ではありません。

このときの旅行は、自分は何のために投資をしているのかを考え直すきっかけにもなりました。

今は再投資が中心。ただし理由がある

今の私が再投資を基本にしているのは、給与収入で生活費をまかなえているからです。配当を生活費に充てなくても家計が回る状態なので、その分を元本を育てる方に回しています。

これは資産形成期の使い方です。

2027年3月にサイドFIREを予定していて、その後は給与収入が大きく減ります。そのときは配当を生活費の一部として使う予定です。配当と資産の取り崩し、必要に応じた労働収入を組み合わせる想定で計画を立てています。生活費に対して配当がどのくらいの規模になるのかは「配当生活はいくら必要?税引後利回りで計算した現実的な金額」で計算しました。

同じ配当でも、ライフステージによって最適な使い方は変わります。今の自分にとって、再投資と使うことのどちらに価値があるか。判断するのはそこだと思っています。

配当再投資でつまずきやすいところ

配当が入ってから投資先を考える

これが一番多いパターンだと思います。

配当が振り込まれると、早く投資に回さなければという気持ちになります。その状態で銘柄を探すと、そのとき目についた高利回りの銘柄に飛びつきやすい。株価が下がって利回りが上がっている銘柄には、業績悪化が理由のものも含まれます。

逆に、迷っているうちに何もしないまま口座に残り続けることもあります。

私自身、投資を始めた頃は表面的な利回りだけで銘柄を選んでいた時期がありました。利回りが高い=お得だと考えていたためです。実際に大切なのは今の利回りではなく、今後も利益を出して配当を維持できる企業かどうかでした。

配当を特別なお金として扱わないことも、この焦りを防いでくれます。手元の投資資金の一部と考えれば、入金と買付を結びつけて考えずに済みます。

利回りだけを見て買い増す

配当が入るたびに一番利回りの高い銘柄を買っていくと、業種が偏ります。

高配当の銘柄は特定のセクターに集まりやすいためです。銀行や商社、通信といった業種に集中すると、その業界全体が不調になったときに配当がまとめて減ります。

私はコロナショックのときに、保有銘柄の一部で減配や無配を経験しました。年間配当が数万円程度減った記憶があります。ポートフォリオ全体の配当が半減するような事態にはなりませんでしたが、それは分散していたからです。

全額再投資しなければと考える

再投資しない配当は無駄だと考えると、投資が窮屈になります。

複利の効果を最大にするという意味では、全額を再投資するのが理屈の上では有利です。ただ、それを何十年も続けた先に何があるのかを考えないまま数字だけを追いかけると、何のために投資しているのかが見えなくなります。

将来の配当を増やすために再投資するのも、今の生活を楽しむために使うのも、どちらも配当の使い道です。

まとめ

  • 配当で買った株が翌年また配当を生む。ただし効率だけならインデックス投資の方が有利で、配当再投資が最適解というわけではない
  • 配当を再投資用として切り分けなくていい。投資資金の一部と考え、買い増し候補を準備しておく方が動きやすい
  • 使うか増やすかは一律に決めなくていい。今の自分にとってどちらに価値があるかで選ぶ

まず手をつけるとしたら、買い増し候補を3銘柄でも書き出してみることをおすすめします。この銘柄がいくらまで下がったら買いたいのか、そこまで決めておくと、配当が入ったときに迷いません。

投資そのものをこれから始める段階であれば、「投資初心者は何から始めるべきか?最短ルートを解説」から読んでみてください。

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