高配当株は利回りの高さで選ぶのではなく、業績と財務を見て「この先も配当を出し続けられそうか」で判断するものです。株価が下がった結果として、利回りの数字だけが高く見えている銘柄も少なくありません。
高配当株に興味を持つと、まず利回りランキングを眺めることになります。私もそうでした。
40代の公務員として働きながら個別株を買い続けて13年。きっかけは株主優待でしたが、いまは保有する個別株の6割以上が高配当株です。その過程で、利回りの数字だけを見て買った銘柄がどうなるかも見てきました。
投資の全体像から確認したい方は「投資初心者は何から始めるべきか?最短ルートを解説」を先に読むと、高配当株の位置づけがつかみやすくなります。
- 高配当株の定義と、配当利回りの計算方法
- 株主優待投資から高配当株投資に移っていった実際の流れ
- 受け取った配当金の推移(2022年33万円 → 2025年104万円)
- 利回りだけで銘柄を選んで失敗した話
- 高配当株とインデックス投資の役割分担
高配当株とは何か
配当利回りの計算式
高配当株とは、配当利回りが高い株式のことです。配当利回りは次の式で求めます。
配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
株価2000円、年間配当金が60円なら、利回りは3%。私は利回り3%以上を高配当株の目安にしており、保有する高配当株全体の利回りは4%以上を目指しています。
配当金は、企業が稼いだ利益の一部を株主に分けるお金です。年1回または2回、保有株数に応じて配当金がいただけます。
数字が高く見える2つの理由
同じ「利回り4%」でも、中身はまったく違います。
ひとつは、企業が利益を伸ばして配当金そのものを増やしている場合。もうひとつは、株価が下がったせいで割り算の結果が大きくなっている場合です。
後者は、業績悪化のサインが株価に出ている状態。この先の減配が織り込まれつつあるので、買った翌年に配当が半分になることもあります。
株主優待との関係
私が最初に買っていたのは、配当ではなく株主優待が目当ての株でした。
優待銘柄を選ぶうちに、優待と配当の両方が手厚い企業があると気づきます。優待品の価値と配当金を合わせた「総合利回り」で銘柄を比べるようになり、そこから配当そのものへ関心が移っていきました。
日本株特有の優待制度と高配当をどう組み合わせるかは、日本の高配当株を扱う記事であらためて整理する予定です。
配当金が33万円から104万円になるまで
旧NISAの100万円から始めた
個別株を買い始めたきっかけは、旧NISAの非課税枠でした。金額は年間100万円ほど。当時は高配当株というより優待株を意識していましたが、配当金も見ながら銘柄を選んでいました。
3167 TOKAIホールディングス、6458 新晃工業、8591 オリックスあたりは、この時期から持ち続けている銘柄です。オリックスは現在、株主優待を廃止しています。優待目当てで買った株が優待なしになる。こういうことも起きます。
受け取った配当金の推移
実際に受け取った年間配当金は次のとおりです。
| 年 | 年間配当金 |
|---|---|
| 2022年 | 33万円 |
| 2023年 | 43万円 |
| 2024年 | 69万円 |
| 2025年 | 104万円 |
| 2026年 | 120万円以上の見込み |
2025年の104万円は、月あたり約8万7千円。今年は月平均10万円を超える見込みです。
この増え方は、株価の上昇によるものではありません。高配当株の新規購入や買い増し、企業の増配が積み上がった結果です。
お金に働いてもらう感覚
配当金の入金通知を最初に見たとき、投資信託の評価額が増えるのとは違う感触がありました。
自分は何もしていないのに、企業が稼いだ利益の一部が口座に入ってくる。「お金に働いてもらう」という言葉を、初めて実感として理解しました。
年間の配当金が給与1か月分に届けば、年収が13か月分になったようなもの。そう考えるようになってから、配当を軸に銘柄を選ぶようになりました。
配当金だけで生活費をまかなえるのかという点は、別の記事で数字を出して検証します。結論を先に書くと、9000万円の資産があっても配当だけでの生活は成立しません。
利回りだけで選んで失敗した話
指標を理解しないまま買っていた
始めた頃の私は、PERやPBR、配当性向といった指標の意味を説明できませんでした。それでも買っていました。利回りが高いから、という理由だけで。
その結果どうなったか。業績が悪化した企業が減配を発表し、配当を目当てに買ったはずの前提が崩れます。
減配や無配に転落した銘柄は、保有し続ける理由がなくなるので売却してきました。損失を確定させる判断です。当時は記録の付け方も雑で、いくら損切りしたかの詳細な記録は残っていません。それ自体が反省点でもあります。
いま確認している4つの項目
失敗を経て、買う前に見る項目が決まりました。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 業績 | 売上と利益が伸びているか、少なくとも安定しているか |
| 財務 | 自己資本比率が低すぎないか、借入に頼りすぎていないか |
| 配当性向 | 利益の何割を配当に回しているか(高すぎると無理をしている) |
| 増配実績 | 過去に配当を増やし続けてきたか |
この4つを見ても、将来の減配を完全に避けられるわけではありません。企業の業績は予想どおりに進まないからです。それでも、株価が下がっただけの「見せかけの高利回り」はかなりの割合で除外できます。
ただし、相場に引っ張られて業績とは関係ないところで株価が下落する場面もあります。このような場合は逆にチャンスで、高配当株を安く仕込める機会となる場合もあります。
高配当株のメリットと引き換えに何を失うのかは、次回の記事で整理します。
これから始める人へ、3つのステップ
ステップ1: 買いたい時期と買うべき時期を分けて考える
高配当株は、株価によって利回りが変わるため、いつでも買っていいわけではありません。同じ企業でも、株価が上がっている局面では利回りが下がります。
「始めたい」と思った時期と、「この価格なら買える」と判断できる時期は、一致しないことのほうが多いです。
高配当株投資は、いわば「タイミング投資」です。相場が上がっているときは、資金を用意して待つのも選択肢のひとつ。私も年に何度か、買わずに見送る時期があります。
ステップ2: 1銘柄に集中させない
私はいま、単元未満株を含めて高配当株と呼べる銘柄を約80銘柄を保有しています。
数が多すぎると思われるかもしれません。ただ、これだけ分散していると、1社が減配しても年間の配当金への影響は数%にとどまります。1銘柄に資金を集中させていたら、こうはいきません。
単元未満株なら数千円から買えるので、少額でも銘柄数を増やせます。
ステップ3: インデックス投資との役割を決めておく
高配当株だけで運用しているわけではありません。2024年からは新NISAのつみたて投資枠でオルカンの積立も続けています。
役割を分けています。高配当株は配当というキャッシュフローを得るため。インデックス投資は資産全体を増やすことと、日本株に偏りがちな私のポートフォリオに世界への分散を足すためです。
資産全体に占める高配当株の割合は約25%。この比率が正解だとは思っていませんが、片方だけに寄せない形が自分には合っています。
証券会社をどこにするかで迷う場合は、SBI証券と楽天証券を両方使ってきた経験をまとめた記事を後日公開します。
まとめ
- 高配当株は利回り3%以上が目安。ただし数字の高さは、増配の結果とは限らない
- 業績・財務・配当性向・増配実績の4点を確認してから買う
- 私は約80銘柄に分散し、資産の約25%を高配当株が占めている。インデックス投資とは役割を分けている
配当金は2022年の33万円から2025年に104万円まで増えましたが、これは買い増しを続けた結果です。1年で大きく増える投資ではありません。
次にやることを1つ選ぶなら、証券口座の画面で気になる企業の配当性向と過去5年の配当推移を見てみてください。利回りランキングの順位より、そちらのほうが多くのことを教えてくれます。
