子育てFIREは可能か|教育費・生活費・タイミングを資産9200万の実例で解説

価値観・FIRE思考

「子育てしながらFIREなんて、うちには無理」と思っていませんか。教育費だけで数百万円かかると言われるなか、資産形成とFIREを両立できるのか。そう悩む子育て世帯は少なくありません。

私は40代の公務員です。娘は保育園に通う未就学児で、2027年3月に退職してサイドFIREする予定です。投資を始めて13年、資産は2026年5月時点で約9200万円になりました。

この記事では、教育費の見込み、年間支出の実績、FIRE後の生活費、退職のタイミングを、我が家の数字で紹介します。

この記事でわかること
  • 子どもが未就学児のうちに退職すると決めた理由
  • 子育て世帯がFIREの前提にした「子どもの選択肢を狭めない」という条件
  • 教育費・年間支出・FIRE後の生活費の、我が家の実際の数字
結論

我が家は、子育てしながらでもFIREは可能だと判断しています。前提にしたのは、FIREによって子どもの進路の選択肢を狭めないことです。教育費を含めても資産と支出の見通しが立ったため、子どもが未就学児のうちに退職すると決めました。

  1. 子育てFIREを決意した理由|仕事にも家庭にも集中できないもどかしさ
    1. 復職後に積み重なった「休むための調整」
    2. 働き方そのものに疑問を持つようになった
  2. 子育て世帯のFIREの前提条件|子どもの選択肢を狭めない
    1. 夫婦で決めたひとつの約束
    2. 「子どもに我慢を強いない」は甘やかすことではない
  3. 教育費はいくら必要か|我が家は子ども1人約2500万円で見込む
    1. 高校まで公立、大学は私立の前提
    2. 教育費は資産から切り分けていない
  4. 資産約9200万円と年間支出の実績|子どもが生まれても資産形成を続けられた理由
    1. 結婚後に夫婦で続けてきた家計管理と投資
    2. 子どもが生まれてからの年間支出
    3. FIRE後の生活費は年約450万円を想定
  5. 子育てFIREのタイミング|未就学児のうちに退職する理由
    1. 子育ての黄金期間は長くない
    2. 資産を増やすか、時期を逃さないか
  6. 子どもにとってのメリット|親が近くにいる日常
    1. 「親がいる日常」が子どもに与えるもの
    2. 子どもの「はじめて」を隣で一緒に味わう
  7. FIRE後の課題|子どもに胸を張って説明できる状態を作る
    1. 「親は何の仕事をしているの?」に答えられるか
    2. 仕事でなくてもいい、社会とつながる役割を持つ
  8. 子育て世帯でFIREを目指す人へ
    1. 我が家が大切にしてきた4つのこと
    2. 自分と対話することから始める
    3. 子育てもFIREも、どちらも諦めなくていい
  9. まとめ|子育てFIREで我が家が決めたこと

子育てFIREを決意した理由|仕事にも家庭にも集中できないもどかしさ

復職後に積み重なった「休むための調整」

育休は、私が1年間、妻が1年半取りました。復職後は子どもを保育園に預けて働き始めましたが、すぐに壁にぶつかりました。

子どもの体調不良で、夫婦のどちらかが仕事を休んで対応することが何度もありました。仕事の状況や重要度にかかわらず、子どもを優先する。これは夫婦で共有している考えで、そこに迷いはありません。

それでも、休むための調整や、職場のメンバーに負担をかけることへの気遣い、夫婦間の負担の偏りなど、考えることは尽きません。ひとつひとつは仕方のないことでも、積み重なると、仕事にも家庭にも十分に集中できないもどかしさが残りました。

働き方そのものに疑問を持つようになった

本当は子どもを優先して生活したいのに、そうすると周囲に負担をかけてしまう。仕事にも家庭にも責任を持とうとするほど、気持ちよく仕事に専念できなくなりました。

次第に、今の働き方そのものに疑問を感じるようになりました。それならば、経済的自由を実現して、今の職場で働き続けることだけにこだわらず、家族の幸福度が高まる選択肢を選べるようになりたい。

妻も復職して共働きになり、こうした調整が日常になってから、FIREを決意しました。この考えが、FIREを目指す理由のひとつです。

FIREを決意するまでの経緯と、退職を一度延期したときのことは「子育てしながらFIREを目指す理由|退職を一度延期して気づいたこと」で解説しています。

子育て世帯のFIREの前提条件|子どもの選択肢を狭めない

夫婦で決めたひとつの約束

FIREを考え始めたとき、夫婦でひとつの約束をしました。

「FIREのせいで、子どもの教育費が出せなくなることは絶対に避けよう」

子どもの将来の選択肢を狭めてしまっては、本末転倒です。そこで日本の平均的な教育費を調べ、最低限その金額を払える状態を、FIREの前提条件にしました。

「子どもに我慢を強いない」は甘やかすことではない

子どもに我慢をさせないというのは、甘やかすことではありません。振り返ったときに、後悔のない子育てをすること。子どもから「この親でよかった」と思ってもらえる関わり方をすることです。

FIREは、家族にとっての幸せの形のひとつだと考えています。

教育費はいくら必要か|我が家は子ども1人約2500万円で見込む

高校まで公立、大学は私立の前提

我が家は教育費を、子ども1人で約2500万円と見込んでいます。高校までは公立、大学は私立という前提で、日本の平均的な教育費に少し余裕を持たせた金額です。

最も大きいのは大学で、4年間で全体の約6割を占めます。この金額は今の物価をもとにしているため、実際に払う時期の物価上昇も踏まえて準備しておく必要があります。

年齢別の内訳と、平均より多めに見積もっている理由は「教育費はいくら必要?年齢別の目安と、平均より多めに見積もる理由」で解説しています。

教育費は資産から切り分けていない

資産約9200万円とは別に、教育費を積み立てているわけではありません。資産全体の中に教育費も含まれており、必要な時期に必要な分を取り崩す設計です。

資産全体を長期で運用しながら、計画的に使っていく。これが我が家のFIREにおける教育費の考え方です。

資産約9200万円と年間支出の実績|子どもが生まれても資産形成を続けられた理由

結婚後に夫婦で続けてきた家計管理と投資

子どもが生まれる前から、資産形成を続けていました。出発点は「仕事が嫌になっても、お金のためにしがみつかなくていい状態を作る」ことです。

辞めるつもりはなくても、いつでも辞められる環境を先につくる。その考えで投資を続けて13年、資産は2026年5月時点で約9200万円になりました。資産形成を続けてきた経緯は「資産9000万円の40代公務員がサイドFIREを決意した理由と戦略」にまとめています。

結婚後は、夫婦で家計管理と投資を続けてきました。資産形成の土台は、子どもが生まれる前にできていたと感じています。

子どもが生まれてからは、子育てに合う形に見直してきました。散財や無駄な浪費をしにくい習慣は、それ以前からある程度身についていたと思います。

子どもが生まれてからの年間支出

子どもが生まれて、支出は増えました。年間支出は、2024年が約580万円、2025年が約510万円です。

2026年は、娘が幼児教育・保育の無償化の対象年齢になりました。支出はさらに落ち着く見込みで、今後は年間約500万円以内に収まると考えています。

支出を把握するための家計管理の仕組みは「家計管理の方法|初心者でも挫折しない仕組みの作り方」で解説しています。

FIRE後の生活費は年約450万円を想定

退職の前後に、賃貸から持ち家へ移る見込みです。住居費が固定され、変動するコストが下がります。

持ち家への移行に加えて、仕事に関わる支出も減ります。この2つで、FIRE後は年間約450万円で生活を始められると試算しています。

支出の実績と将来の見通しがかみ合ったことで、FIREを実行できると判断できました。

子育てFIREのタイミング|未就学児のうちに退職する理由

子育ての黄金期間は長くない

子どもの世界が、親を中心に回っている時期。それが子育ての黄金期間(ゴールデンタイム)だと考えています。この時期に子ども中心の生活を送り、親子の思い出をたくさん作りたいと思っています。

子どもは成長するにつれ、友人や部活、恋人との時間が家族より大切になっていきます。親子でじっくり過ごせる時間は、限られています。

資産を増やすか、時期を逃さないか

資産が増えるほど、FIREの成功確率は上がります。一方で、時間が経つほど、FIREの恩恵を最も受けられる時期を逃すリスクも高まります。

子どもが生まれる前は、定年まで働かず、資産状況を見ながら早めに退職できればいい、という漠然とした感覚でした。具体的な時期までは決めていませんでした。

子どもが生まれてその感覚が変わり、FIREの時期を早めると決めました。子どもが未就学児のうちに退職する。これが我が家のFIREの軸です。

子どもにとってのメリット|親が近くにいる日常

「親がいる日常」が子どもに与えるもの

FIREすると、子どもの日常が変わります。保育園や学校から帰ると、家に親がいる。具合が悪くなれば、すぐに親が対応できる。

当たり前のようで、共働きの家庭では難しいことです。

子どもの「はじめて」を隣で一緒に味わう

娘の2歳の誕生日に、アンパンマンミュージアムへ連れて行きました。大きなアンパンマンの壁画や着ぐるみのショーなど、はじめて見るものばかりで、娘は大興奮でした。

3歳の誕生日にも行きました。娘も「また行きたい」と言うので、4歳の誕生日にも喜んで連れて行くつもりです。

ただ、この先も続けるかは娘の興味しだいです。アンパンマンに夢中になれるのは、乳幼児期の今だからこそかもしれません。今しかない興味に、今のうちに付き合っておきたいと思っています。

自治体の子育て支援施設や、子ども向けの屋内遊び場などにも、よく連れて行っています。最近は、そのときの写真を見ながら「楽しかった、また連れて行ってね」と言ってくれるようになりました。

これからは、海や山など、自然あふれる場所にも連れて行きたいと思っています。幼いうちに、五感が刺激される場所へ一緒に行き、一緒に感じたい。働いていたら見逃してしまう小さな日常の積み重ねを一緒に過ごせることが、FIREの何より大きな価値だと思っています。

FIRE後の課題|子どもに胸を張って説明できる状態を作る

「親は何の仕事をしているの?」に答えられるか

FIREは少数派の選択です。決まった勤め先がない親の姿は、世間体や子どもの教育の面で、懸念が生じることもあります。

子どもが友だちから「お父さんの仕事は何?」と聞かれたとき、胸を張って答えられる状態を作ること。これが私のFIRE後の課題です。

仕事でなくてもいい、社会とつながる役割を持つ

サイドFIRE後も、好きなことで収入を得る活動には挑戦するつもりです。形は仕事に限らず、ボランティアや地域活動でも構いません。

社会とのつながりを持ち、子どもに誇れる役割を持つこと。FIRE後の生活に欠かせない要素だと考えています。

子育て世帯でFIREを目指す人へ

我が家が大切にしてきた4つのこと

ここまでの内容を、子育て世帯がFIREを考える順番に並べ直すと、次の4つになります。

  1. 教育費を前提条件にする:平均的な教育費を払える資産を築いてから退職する
  2. 生活費を数字で把握する:「なんとなく足りるだろう」ではなく、支出の実績から見通しを立てる
  3. 夫婦で価値観をそろえる:FIREは夫婦の共同プロジェクトで、妻の理解と合意があって初めて実行できる
  4. タイミングを見極める:資産の安全性と、子育ての時期のバランスで決める

自分の家庭でFIREが可能かを判定する手順は「子育て世帯でもFIREは可能か?自分で判定できる3つの基準」で解説しています。

自分と対話することから始める

FIREしたい理由は何か。その目的を、どの時期に実現すれば満足度が最も高まるか。自分の人生の中心をどこに置きたいか。その答えが、FIREへの第一歩です。

自分なりの答えが出たら、その方向に向けて準備を進めてください。それが後悔のない人生に近づく道だと、私は考えています。

子育てもFIREも、どちらも諦めなくていい

子育て世帯だからFIREは無理、ではありません。子育て世帯だからこそ、FIREする意味があると考えています。

子どもとの時間は、お金では買えません。今しかない時間を、大切にしてください。

まとめ|子育てFIREで我が家が決めたこと

項目内容
前提条件FIREで子どもの選択肢を狭めない
教育費子ども1人約2500万円(高校まで公立、大学は私立の前提)
資産の考え方約9200万円(2026年5月時点)に教育費も含め、運用しながら取り崩す
年間支出2024年約580万円、2025年約510万円と減少傾向
FIRE後の生活費持ち家への移行と仕事関連支出の減少で、年約450万円を想定
タイミング子どもが未就学児のうちに退職し、黄金期間を一緒に過ごす
子どもへのメリット親がいる日常と、「はじめて」の瞬間を一緒に経験できる
FIRE後の課題社会とつながる役割を持ち、子どもに胸を張れる状態を作る
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