家族との時間を優先したことに、後悔はありません。夫婦で育休を取り、時間外の仕事も減らしました。収入や職場での立ち位置は少し変わりました。それでも迷わずに続けられているのは、事前に収支を見通し、夫婦で優先順位を決めていたからです。
私は40代の公務員で、2027年3月にサイドFIREを予定しています。まだFIRE前の立場から、子どもが生まれて変わった時間とお金の使い方、その中で気づいたことをまとめました。
- 子どもが生まれて、時間の使い方と働き方がどう変わったか
- 育休で収入が減っても、家族との時間を選べた理由
- 家族との時間を優先して失ったものと、気づいたこと
子どもが生まれて、時間の使い方は自然に変わった
振り返ると、何かを我慢して手放した感覚はほとんどありません。楽しみの対象と、時間をかける場所が入れ替わっていました。
子育てとFIRE準備をどう両立させようとしているかは、「子育てしながらFIREを目指す理由|退職を一度延期して気づいたこと」で解説しています。
趣味の時間が、子どもと過ごす時間に変わった
以前は、ゲームや漫画、アニメ、映画が楽しみでした。子どもが生まれてから、こうした趣味に使う時間は大きく減っています。
不思議と、物足りなさはありません。趣味への興味そのものが薄れ、子どもと過ごす時間や子育てが趣味に近い楽しみになりました。
趣味の時間が減ったことにさえ、この記事を書くために振り返るまで気づいていなかったほどです。
時間外に働くのは「自分でなければ対応できない仕事」だけになった
子どもが生まれる前は、仕事を最後までやり切るために残業や休日出勤もしていました。職場から強いられたわけではありません。仕事はやり切るべきだという使命感があり、自分も納得して時間を使っていました。
今は線引きが変わりました。緊急かつ重要で、自分でなければ対応できない仕事。それ以外は、勤務時間外に対応しなくなっています。
仕事をやり遂げることが大切なのは、今も同じです。違うのは、自分の時間を後回しにしてまで完遂しようとは思わなくなった点でした。
仕事の評価へのこだわりが薄れた
もともと昇進への関心は強くありませんでしたが、良い評価を受ければ嬉しいとは感じていました。その評価にも、今は以前ほど関心がありません。
仕事にかける時間と、家族や自分のための時間は、ある程度トレードオフの関係にあると考えています。どちらが正しいかではなく、何を選ぶかの問題です。私は、家族と過ごす時間と自分の自由な時間を選びました。
子どもを授かったとき、夫婦で「人生の軸を仕事から家庭へ移そう」と決めていました。そう決めるまでの経緯は、近日公開予定の「人生の優先順位が変わった瞬間」でまとめる予定です。
育休で収入が減っても、家族との時間を選べた理由
育休中の収入減や、時間外に働かない選択について、お金の不安は小さいものでした。理由は3つあります。
事前に収支をシミュレーションしていた
夫婦の育休は、私が1年、妻が1年半です。子どもができると分かった時点で、夫婦とも1年以上取ると決めていました。
取得前に、収入がどれだけ減るかを繰り返し試算しています。給付金と社会保険料の免除を考えると、最初の半年は休業前の手取りの8割以上を確保できる見込みでした。その後は給付率が下がり、手取りの6〜7割程度になります。
実際の受取額も、ほぼ見込みどおりでした。ボーナスの減少や妻の育休の最後の半年など、収入が落ちた時期はあります。ただ、育休中の資産推移を振り返っても、大きく減った時期はありませんでした。
なお、試算するなら、住民税も忘れずに入れておきたいところです。前年の所得にかかるため、育休中も支払いが続きます。
家計を手間なく把握できる仕組みがあった
家計管理には、マネーフォワードを使っています。現金をほとんど使わず、クレジットカードや銀行口座を連携して、支出を自動で記録する形です。
手作業で家計簿をつける必要がないので、記録が途切れません。収入が減る時期でも、毎月いくら出ていっているかがすぐ分かります。お金の流れが見えていることが、安心してお金を使える理由になっていました。
資産形成が「働き方を選ぶ余地」になっていた
もう一つ大きかったのが、これまでの資産形成です。投資を始めて13年、資産は約9200万円になりました。
生活費を稼ぐためだけの仕事を、ライスワークと呼ぶことがあります。資産が増えるにつれて、ライスワークを続けなければ生活が成り立たない状況から、少しずつ離れられました。仕事にどこまで時間を使うかを、自分で考えられるようになったのです。
サイドFIREを決めた経緯と資産の積み上げ方は、「資産9000万円の40代公務員がサイドFIREを決意した理由と戦略」で解説しています。
家族との時間を優先して失ったもの
後悔はありませんが、失ったものや気がかりがなかったわけではありません。
昇進への影響は覚悟していた
育休を決めたのは、ちょうど昇進の時期と重なっていた頃です。昇進が遅れたり、評価が下がったりする可能性は覚悟していました。結果として、目立った影響はなし。
妻は出産のために帰省できない事情があり、最初から夫婦二人で育てる前提でした。育休を取るかどうかで迷うことはなく、話し合ったのは二人でどう暮らすかです。昇進と子どもとの時間を天秤にかけるまでもなく、育休を諦めるという選択肢はありませんでした。
職場で「蚊帳の外」に感じる場面が増えた
以前は、仕事の中心にいることが多い立場でした。今は家庭の事情を気遣った言葉をかけられることが増えています。中心になって取り組んでいた仕事でも、蚊帳の外にいるように感じる場面がありました。
そうした変化が、まったく気にならないわけではありません。ただ、仕事にかける時間と労力を減らしておきながら、以前と同じ立ち位置を求めるのは難しいでしょう。ある程度は仕方のないことだと受け入れています。
選んだだけで、満足できる生活は手に入らない
自分で選んだ道なので、後悔はありません。一方で、選択しただけで満足できる生活が手に入るわけでもないと感じています。今の変化を受け入れながら、どうすれば満足度を上げられるかを考えて動くようにしています。
これから同じ選択をする人へ
家族との時間を優先するときに備えが必要なのは、収入だけではありません。働き方を変えれば、職場での評価や立ち位置も変わる可能性があります。
私は昇進への影響を覚悟したうえで育休を取り、職場での立ち位置の変化も受け入れています。そうできたのは、夫婦で何を優先するかを先に決めていたからです。お金の試算と同じように、職場で起こりうる変化も事前に想定しておくと、選んだあとに揺らぎにくくなります。
家族との時間を優先して気づいたこと
何気ない思い出と子どもの成長が、自分にとって大きな幸福感につながっていました。仕事以外にも、人生を充実させてくれるものがたくさんあったのです。
写真を一緒に見返す時間に、幸せを感じる
一番そう感じるのは、出かけたあとに撮った写真や動画を、子どもと一緒に見返しているときです。
子どもから「楽しかったね」「また連れていってね」と言われると、満たされた気持ちになります。次はどこに連れていこうかと、自然に考え始めている自分がいます。
出かけている最中だけでなく、あとから振り返る時間にも楽しさがありました。家族と過ごした時間はその場で終わらず、思い出として積み重なっていきます。
子どもが生まれてから、祖父母も一緒に3世代で旅行に行くことが増えました。子どもには祖父母との思い出を、親には孫と過ごす時間を楽しんでほしい。そう考えて、できる限り年に1回は一緒に旅行に行きたいと思っています。
親と過ごす時間にどうお金を使うかは、近日公開予定の「親孝行について考えたお金の使い方」で書く予定です。
大変な日も、成長の途中だと思える
子育ては楽しいことばかりではありません。癇癪にイヤイヤ期、ご飯を食べない、お風呂に入らない、寝ない、歯磨きをしない。挙げればきりがありません。
それでも、子どもなら仕方のないことだと思っています。昨日までできなかったことが、少しずつできるようになる。その変化を近くで見守れることが、何にも代えがたい喜びです。
思いどおりにならない日々は、親の側の考え方を見つめ直す機会にもなっています。子育ては、子どもだけでなく親も成長させてくれるものなのでしょう。
自分の時間は、家族が寝たあとにつくる
今の自分の時間は、このブログの記事を書くことに使う日が多く、主に家族が寝たあとの時間を充てています。家族との時間を削るのではなく、家族の時間を大切にしたうえで、やりたいことにも取り組む形です。
家族との時間を優先したい人が、最初にやること
家族との時間を優先したくても、お金や仕事が不安で踏み出せない。そんな人に向けて、私が実際にやってきた順番を示します。
ステップ1:家計を把握し、収入が減った場合を試算する
お金の不安があると、仕事を休んだり働き方を変えたりする決断はしにくいものです。まずは漠然とした不安を、数字に置き換えましょう。
毎月いくらあれば暮らせるのか。収入が2割減ったら、毎月の収支はどうなるのか。私は育休前にこれを繰り返し計算し、生活を維持できる見通しを立てていました。
支出を自動で記録する仕組みのつくり方は、「家計管理の方法|初心者でも挫折しない仕組みの作り方」で解説しています。
ステップ2:長期の資産形成で、働き方を選ぶ余地をつくる
資産があれば、すぐに仕事を辞められるわけではありません。それでも資産が積み上がるほど、生活費のためだけに働く状況から離れやすくなります。
資産形成には時間がかかります。生活を無理に切り詰めたり、今の楽しみをすべて我慢したりする必要はありません。今の生活と将来の安心のバランスを取りながら、続けられる額で始めましょう。
ステップ3:夫婦で優先順位をすり合わせ、行動に移す
家計の見通しと同じくらい大切なのが、夫婦での話し合いです。我が家は子どもができると分かった時点で、どんな生活を送りたいか、何を優先したいかを話し合いました。
どちらか一方だけが我慢する形では長続きしません。家族として納得できる方向を探しましょう。方針が決まったら、行動に移すことです。見通しを立てて合意していても、動かなければ生活は変わりません。
サイドFIRE後に描いている家族との時間
2027年3月にサイドFIREを予定していますが、目的は仕事を辞めること自体ではありません。子どもの成長をもっと近くで見守れる生活にしたいと考えています。ブログなど、自分がやりたい活動も育てていく予定です。
ただ、サイドFIREをすれば自動的に理想の生活になるとは思っていません。仕事に使っていた時間を何に使うか、自分で考えて動く必要があるはずです。家族との時間と自分の活動のバランスを取りながら、満足度の高い生活をつくっていくつもりです。
まとめ
- 子どもが生まれて、趣味も働き方も自然に変わった。時間外の仕事は「自分でなければ対応できないもの」に絞った
- 育休中の収入は最初の半年が手取りの8割以上、その後は6〜7割程度。事前の試算と資産形成が、家族との時間を選ぶ支えになった
- 職場での立ち位置は変わったが、後悔はない。家族と思い出を積み重ねる日々が、今の幸福感につながっている
何を優先するかは人それぞれで、仕事に喜びを感じる生き方も間違いではありません。大切なのは、周囲の価値観に合わせるのではなく、自分たちが望む生活を夫婦で考え、納得して選ぶことだと考えています。
振り返ると、お金の準備は家族との時間を選ぶための土台でした。では、お金を準備した先に何を大切にしたいのか。その考えは、今後公開予定の「お金より大切だと気づいたこと」で書く予定です。
家族との時間を増やすために減らしたいもの(残業、休日出勤、育休の取得など)を1つ決め、それで手取りがいくら変わるかを計算してみてください。数字で見通しが立つと、家族との時間を選ぶかどうかを冷静に考えられるようになります。
