サイドFIREの準備でやること|退職までの12か月を時系列で整理

FIRE戦略

サイドFIREの準備は、家族の合意、お金の見通し、職場への伝え方の順に進めます。役所や職場への手続きは、その後で間に合います。

私は40代公務員で、資産は約9000万円。3月末に退職する予定です。ただ、昨年は一度伝えた退職の意向を取り下げました。準備の順番を間違えたからです。

この記事では、その失敗をふまえて、退職の12か月前から1か月前までにやることを時系列で整理します。

この記事でわかること
  • サイドFIREの準備を進める順番と、その理由
  • 退職の12か月前・6か月前・3か月前・1か月前にやること
  • 退職の意向を一度取り下げた失敗と、公務員ならではの時期の注意点

サイドFIREの準備に順番が必要な3つの理由

準備の中には、後から取り返せないものがあります。家族の気持ちと、職場への伝え方です。

働き方そのものの考え方は「サイドFIREとは?フルFIREとの違いと現実」で解説しています。昨年の私は、家族の不安が残ったまま職場に伝え、一度立ち止まりました。今年は夫婦の合意、人事への相談、職場に伝える時期の順に進め、準備は止まらずに進んでいます。

理由1:家族の合意が不十分だと、準備が止まる

昨年8月に人事へ退職の意向を伝える前、妻とは話をして、理解を得ているつもりでした。資産の計算も済み、準備は整っているという認識です。

ところが12月、妻が本当の気持ちを打ち明けてくれました。心の中の不安は、まだ消えていなかったのです。

私の話し合いと説明が足りなかった。そう反省して意向を取り下げ、退職を1年延ばしました。お金の計算が合っていても、家族が心から納得していなければ、準備はそこで止まります。

理由2:公務員は「年内」と「3月の異動」に時期が縛られる

公務員の職場の多くは、3月に人事異動があります。翌年度の体制を決めるため、年度の途中に職員の意向を確認する調査が行われることもあります。

調査の主な対象は定年を迎える職員ですが、私は今年の夏、この調査で早期退職の意向を伝えました。人事からは、退職するかどうかの判断は年内を目処に決めて欲しいと言われています。

年度末を意識せずに辞めると、残る職場の負担が大きくなります。そうした場面を、これまで見てきました。公務員は年度単位で業務が動くので、伝える時期を3月から逆算する必要があります。

理由3:住民税は、収入がなくなった後にも来る

住民税は、前年の所得をもとに計算されます。3月末に退職すると、退職した年の6月以降も、働いていた年の給与にかかる分を納める仕組みです。

私は退職までの給与所得から、退職1年目の住民税を試算しました。その分の現金を別に確保したうえで、資金計画を組んでいます。

退職後に納める住民税と社会保険料の金額は、「FIRE後の住民税・社会保険料はいくら?退職前に知るべき現実」で記事にまとめる予定です。

40代公務員の私が進めてきた準備の時系列

私の準備は、昨年8月に始まり、一度止まり、今年の夏に動き直しました。

時期やったこと・やること状況
2025年8月人事と直属の上司に、退職の意向を伝える済
2025年12月慰留を受けて意向を取り下げ、退職を1年延ばす済
2026年6〜8月妻と退職後の生活を話し合う済
2026年8月職場の意向調査で、あらためて退職の意向を出す済
2026年内直属の上司に伝え、退職届を出す予定
2027年1月住宅購入予定
2027年2月リフォーム開始、健康保険の窓口相談予定
2027年3〜4月保育園を続けるための手続き、3月末に退職予定

妻と約3か月かけて決めたこと

今年の6〜8月、妻と何度も話し合いました。最初の妻は、不安でいっぱいだったようです。

二人とも、ここまで働いてきました。これからは今しかできないことを優先して、後悔しない人生にしたい。この考えを、夫婦の共通認識にしました。

このまま定年まで働けば、子どもの手が離れる頃には老後が始まります。家族で自由に過ごせる時間は、そのときにはほとんど残っていないかもしれません。資産にめどが立った今辞めるほうが、家族の幸福度は上がると考えました。

妻から出た条件は2つです。今の生活スタイルを大きく変えないこと。住宅を買って、住まいを確保すること。住宅は資産計画が崩れない金額に抑えるため、中古住宅を買ってリフォームする形に決めました。

妻も同時期に退職する予定で、職場への伝え方は二人で一緒に考えています。

子どもの保育園は「続ける」を絶対条件にした

娘の保育園を続けることは、譲れない条件でした。私の判断で、子どもの生活を急に変えたくなかったからです。

退職して仕事がなくなると、保育を必要とする理由をあらためて示す必要が出てきます。調べる前は、どうすればいいのかわからず不安でした。

制度を確認し、わからない点は自治体の窓口に相談しました。疑問が一つずつ解けるにつれて、不安は小さくなっています。扱いは自治体ごとに違うので、早めに窓口で確認するのが確実です。

お金の手続きで確認したこと

退職手当は、昨年意向を伝えたときに人事担当へ確認し、見込み額を把握しました。公務員の退職金の計算と資金計画への組み込み方は、「公務員の退職金はいくら?FIRE計画への組み込み方」としてまとめる予定です。

年金は、退職後に国民年金へ切り替え、付加年金にも加入します。付加年金は、月400円の保険料を上乗せすると、将来の年金が増える仕組みです。

ねんきん定期便の記録をもとに、AIを使って受給額をシミュレーションしました。付加年金の分も含めて、受給額の見込みを細かく把握できています。

退職後の収入は、まだ見通しが立っていません。公務員は在職中に事業の準備ができないため、退職後に数年かけて育てるつもりです。

準備を進めて学んだこと

資産額が足りていても、それだけでは辞められる状態とは言えませんでした。退職する意思を固めることと、実際に辞められる状態を整えることは別物です。

将来が約束されているわけではないので、不安はなくなっていません。それでも新しい生活へのワクワクがあり、不安だけが大きくなることはありませんでした。

退職準備でやってしまった失敗と注意点

失敗:人事と同時に、直属の上司にも話した

昨年は「まず直属の上司に話すのが筋だ」と考え、人事と同じタイミングで上司にも伝えました。上司には余計な気を使わせ、職場の空気も重くなります。

結局、意向は取り下げました。良いことは一つもなかったと感じています。「筋を通す」と言いながら、実際は自分の気持ちを正当化したかっただけではないか。今はそう感じています。

今回は、誰にいつ伝えるかを先に人事へ相談しました。返ってきた答えは「まだ言わなくていい」です。

早く知られるほど、半年以上続く日常業務に影響が出ます。立場上、後輩を混乱させる心配もあります。直属の上司には年内に、同僚には退職の約1か月前に伝える予定です。

注意1:取り消しにくい契約は、家族の合意と資金計画の後にする

住宅購入のような取り消しにくい契約は、退職後の暮らしが固まる前に進めないほうが安全です。私は妻との合意と資金計画がそろってから、物件の協議に入りました。

住宅購入は1月の予定で、購入費用はおおむね固まっています。リフォーム費用は、これから工事内容と合わせて詰める段階です。

工事の進み方によっては、退職後すぐに入居できない可能性もあります。完成するまでは今の住居で暮らす前提で、日程に余裕を持たせました。

注意2:親族への報告は、反応が読めない

両親など親族には、相談ではなく、夫婦で方針を固めてから報告する形になります。どんな反応があるか、賛成してもらえるかという不安は、まだ残ったままです。

職場や家族だけでなく、親族へ伝える順番も、準備の項目に入れておくと慌てずに済みます。

回避方法

  • 伝える相手と時期は、先に人事や担当部署に確認する
  • 取り消しにくい契約は、家族の合意と資金計画がそろってから進める
  • 住まいや工事は、間に合わない場合の暮らし方も決めておく

退職までの12か月ロードマップ

これから準備を始める人に私が勧める順番を、退職日から逆算して並べます。時期は目安で、職場の規定や自治体によって前後します。

12か月前:家族と話し合い、お金をシミュレーションする

最初にやるのは、家族との話し合いです。どこで暮らすか、生活費はいくらか、子どもの保育や教育をどうするか、時間をどう使いたいか。お金の話だけでなく、暮らしのイメージを共有しましょう。

次に、退職後の生活費と資産をシミュレーションします。住宅費、教育費、車の維持費、社会保険料まで含めて、私は何度も計算し直しました。

計算上は問題がなくても、想定外の出費や相場の変動は起こります。余裕を残した計画にしておくことが前提です。

6か月前:住まいや保育など、退職の前提条件を固める

家族と相談しながら、住まいや保育園の継続など、退職の前提になる条件を具体的に詰めます。退職後の収入と支出、社会保険も、この時期に調べ始めましょう。

公務員なら、人事に意向を伝えるのもこの前後が目安です。私は退職の約8か月前に、職場の意向調査を使って伝えました。

3か月前:正式な手続きを進め、健康保険を決める

職場の規定に沿って退職の手続きを進め、引き継ぎの準備を始めます。退職後の健康保険を、任意継続にするか国民健康保険にするかも、ここで決めておきたいところ。

私は2月に、市の窓口で相談する予定です。2つの選び方は「退職後の健康保険はどうする?任意継続と国保を比較」でまとめる予定です。

1か月前:引き継ぎと手続きを最終確認する

引き継ぎと必要書類の確認を済ませ、健康保険や年金の手続きを最終確認します。保育園を続けるための手続きは、私は3〜4月に進める予定です。

退職直後の予定は詰め込まず、生活を切り替える余白を残しておきましょう。

公務員の退職手続きを月ごとに並べた一覧は、「公務員の退職手続きスケジュール|3ヶ月前からやること」にまとめる予定です。

退職準備で急ぐこと、急がないこと

12か月の流れを振り返ると、早く動いたほうがいいことと、待ったほうがいいことがはっきり分かれます。

急いだほうがいいのは、家族との対話と、制度やお金の確認です。家族の不安は、時間をかけて話さないと見えてきません。住民税の現金や保育の手続きも、調べるのが早いほど打てる手が増えます。

急がなくていいのは、周囲への正式な伝達と、取り消しにくい契約です。どちらも一度動くと、後戻りしたときの影響が自分だけでは済みません。

昨年の私は、「辞めると決めたこと」を「辞められる状態になったこと」と取り違えていました。20年以上勤めた職場です。今回は順番を守り、できる限り迷惑をかけない形で区切りをつけたいと考えています。

まとめ

  • 準備は、家族の合意、お金の見通し、職場への伝え方の順に進める。手続きは最後でいい
  • 公務員は、年内の意向確認と3月の異動から逆算して、伝える時期を決める
  • 住民税は退職後にも来る。取り消しにくい契約は、家族の合意と資金計画がそろってから
次のアクション

今週どこかで30分、家族と「退職後にどこで、どう暮らしたいか」を話す時間をつくってみてください。最初の一歩は、計算より会話です。

退職まで約5か月の私が、いま何をどこまで進めているかは、「私のFIRE準備の現在地(仮題)」にまとめる予定です。

退職までの期間には、夫婦それぞれがどう過ごしたいかを共有し、家族で少し大きな旅行も計画したいと考えています。準備の時間も、これからの暮らしを形にする時間として楽しむつもりです。

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