オルカンとS&P500どっちを選ぶ?4年9ヶ月両方持って決めた基準

投資・資産運用

「オルカンとS&P500、どっちを買えばいいのか」と迷っている人へ。私は2021年8月から両方を積み立て、4年9ヶ月保有してきました。リターンはS&P500が約17ポイント上回りましたが、いま積み立てているのはオルカンです。

どちらを選んでも間違いではありません。分かれ目は、どちらの考え方なら値下がりしても持ち続けられるかです。この記事では、実際の運用実績と、選ぶときの4つの判断基準をまとめています。

この記事でわかること
  • オルカンとS&P500を4年9ヶ月両方持った運用実績
  • 約17ポイントのリターン差をどう考えるか
  • 自分に合う方を選ぶための4つの判断基準

両方を4年9ヶ月持った運用実績

両方を買った理由

オルカンとS&P500の両方を買い始めたのは2021年8月です。楽天証券で月5万円を、2つのファンドに交互に積み立てました。積立は2023年6月で止め、その後は売らずに保有を続けています。

過去の成績なら、調べればすぐにわかります。それでも両方を買ったのは、実際にどんな増え方をするのか、持っている間に自分の考え方がどう変わるのかを体験したかったからです。

データを見るだけではわからない感覚は、保有して初めてつかめました。自分が納得できる答えを見つけるうえで、両方を試したのは正しい判断だったと感じています。

インデックス投資の仕組みそのものは『インデックス投資とは?仕組みと初心者に向いている理由を運用実績で解説』で、私の運用実績とあわせて解説しています。

4年9ヶ月の運用実績

楽天証券で積み立てた分の評価損益率は、次のとおりです。

ファンド評価損益率(2026年5月時点)
S&P500129.24%
オルカン111.79%

S&P500がオルカンを約17ポイント上回りました。この数字だけを見れば「S&P500を選ぶべきだった」と思うかもしれません。

ただ、私はそう考えていません。その理由を、ここから順に説明します。

いまはオルカンだけを積み立てている理由

最初は、S&P500に投資しておけば十分だと考えていました。過去の実績や米国企業の成長力を見れば、米国株の強さを否定する理由はありません。

考えが変わったのは、何か一つの出来事がきっかけではありません。投資について調べたり相場の動きを見たりするうちに、特定の国に資産を集中させることについて考える機会が増えていきました。そこから「これからも米国がずっと一強とは限らないのではないか」と思うようになったのです。

S&P500が悪い商品だと考えるようになったわけではなく、今も有力な投資先だと思っています。ただ、過去に米国が強かったから今後も米国だけでいい、とは考えなくなりました。

いまは新NISAのつみたて投資枠で、オルカンに月10万円を積み立てています。S&P500は売らずに保有を続けています。売れば利益に課税されますし、長期で資産を育てるつもりで買ったものなので、積立先を変えたことを理由に手放す考えはありません。

より高いリターンを狙うより、米国以外も含めて分散し、世界経済全体の成長を受け取りたい。この方が自分の選択に納得でき、長く持ち続けられると感じています。これがオルカンを選んだいちばんの理由です。


約17ポイントの差をどう考えるか

17ポイントは大きな差か

約17ポイントの差を大きいと見るか小さいと見るかは、人によって違います。私自身は、大きな差だとは感じていません。

S&P500は地域の分散をせず、米国一国に絞ってリスクを取っています。17ポイントは、そのリスクを引き受けた分のリターンだと受け止めています。オルカンはリターンが下がる代わりに、国の配分を気にせず持ち続けられる。そこに価値を感じているので、S&P500にしておけばよかったと後悔するほどの差ではありません。

リターンの差はリスクの取り方の違い

投資では、高いリターンを狙うほどリスクも大きくなります。S&P500のリターンが高かったのは、米国に集中するリスクを取った結果です。

反対に、オルカンのリターンが低かったのは、世界全体に分散してリスクを抑えた結果といえます。どちらが良いかは、どちらのリスクなら受け入れられるかで決まります。

今後も同じ差が続くとは限らない

この4年9ヶ月はS&P500が上回りましたが、この先も同じ結果になる保証はありません。米国以外の国が力をつければオルカンが有利になり、米国一強が続けばS&P500が有利なままでしょう。

どちらに転ぶかは誰にも予測できません。だからこそ、過去のリターンではなく、自分が納得できる考え方で選ぶことが大切です。


オルカンとS&P500の違い

中身の違い

項目オルカンS&P500
投資先日本を含む先進国・新興国の株式米国の代表的な大型株約500社
組入銘柄数2409銘柄約500銘柄
米国株の比率62.8%100%
比率の決まり方国・地域の比率が時価総額に合わせて自動で変わる米国企業の比率が時価総額に合わせて変わる

出典:オルカンの数値はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2026年8月31日基準)

オルカンにも6割強の米国株が入っています。そのため、どちらも米国経済の影響を大きく受け、違いは残りの4割弱を世界に広げるかどうかにあります。

オルカンの中身や、保有してわかった注意点は『オルカンとは?4年9ヶ月持ってわかった中身と注意点』で解説しています。

S&P500の構成や米国集中の注意点は『S&P500とは?4年9ヶ月持ってわかった中身と注意点』にまとめています。

値動きとリスクの違い

S&P500は、米国経済の成長にすべてを賭けるイメージです。高いリターンを狙える一方で、米国が不調になればその影響をまともに受けます。

オルカンは、世界経済全体の成長に賭けるイメージです。リターンはS&P500に劣ることがありますが、どの国が伸びても、その国の比率が時価総額に合わせて自動で増えていきます。国の配分を自分で見直す必要がない点が強みです。

下落時の違い

最近の大きな下落は世界同時株安になることが多く、どちらを持っていても下がるときは下がります。米国株が崩れれば世界中が下がり、他の地域だけの下落なら影響は小さめです。

私は2024年8月と2025年4月の下落を、両方を保有した状態で経験しました。下がり方に大きな違いはなく、同じような動きでした。心理的な違いも感じなかったので、下落時の安心感でどちらかを選ぶ必要はないと考えています。


どっちを選ぶべきか?4つの判断基準

判断基準1:リターンと安定のどちらを優先するか

リターン重視・リスクを取れる → S&P500

安定重視・一国に偏りたくない → オルカン

少しでも高いリターンを追いたく、米国一国に集中するリスクも受け入れられるならS&P500が合います。リスクを抑えながら世界経済の成長を取り込みたいなら、オルカンです。

判断基準2:米国経済の先行きをどう見るか

米国一強が続くと考える → S&P500

世界の主役が変わる可能性もあると考える → オルカン

今後も米国が世界経済を引っ張ると考え、より高いパフォーマンスを取りにいくならS&P500。主役がどの国になっても成長の恩恵を受けたいなら、オルカンが向いています。

判断基準3:投資にどれだけ手間をかけたいか

経済ニュースを追うのが苦にならない → S&P500

買ったら基本は放っておきたい → オルカン

S&P500は米国企業だけに投資するため、米国経済のニュースにはある程度目を向けておきたいところです。もし米国が世界経済の牽引役から外れるようなことがあれば、投資先を考え直す場面も出てくるかもしれません。近い将来にそうなる可能性は低そうですが、ゼロではありません。

オルカンは国の比率が自動で入れ替わるため、淡々と積み立てて持ち続けたい人に向いています。

判断基準4:その考え方で長く持ち続けられるか

この考え方なら長く持てる → その方を選ぶ

いちばん大事なのはこの基準です。自分がどんな見通しを持って投資するのか、どんな理由なら納得して持ち続けられるのか。そこを考えずに選ぶと、値下がりしたときに手放したくなります。

投資にはリスクがあり、最後は自分で判断するしかありません。私は、長く持ち続けられる納得感があるという理由で、オルカンを積立の中心に選びました。


初心者が迷ったらオルカン

オルカンを勧める4つの理由

投資を始めたばかりで迷っているなら、オルカンをおすすめします。理由は4つあります。

1. 1本で世界中に分散できる 日本を含む先進国・新興国の約2400銘柄に投資できます。特定の国や地域が不調になっても、その影響を薄められます。

2. 国の比率を自分で調整しなくていい 国・地域の比率が時価総額に応じて自動で変わります。どの国が伸びても、その成長を取り込める仕組みです。

3. 経済ニュースを追わなくても続けられる 米国経済の動向を細かく気にする必要がありません。私が積立について確認しているのは、年初にNISA枠での買付設定を見るときくらいです。

4. 一国の先行きを心配しなくていい 「もし米国が衰退したら」という不安を抱えずに投資できます。長く持ち続けるうえで、この気持ちの軽さは大きな意味を持ちます。

投資信託という商品そのものが初めての方は、『投資信託とは?仕組み・種類・選び方を初心者向けに完全解説』で仕組みから解説しています。

何から手をつければいいか迷っている方は、『投資初心者は何から始めるべきか?最短ルートを解説』も参考にしてください。

パフォーマンスを追うならS&P500も選択肢

リスクを取ってでも少しでも高いリターンを狙いたいなら、S&P500も勧められます。どちらも長期の資産形成に使える優れたファンドで、悪い選択肢ではありません。

インデックス投資に何を求めるかで、向いている方は変わります。世界経済の成長を取りこぼさないオルカンか、米国経済の牽引に期待するS&P500か。自分が納得できる方を選んでください。


オルカンとS&P500を両方買うのはどうか

新しく積み立てるなら1本に絞る

「オルカン70%、S&P500 30%」のように両方を買う方法もありますが、あまり意味はないと考えています。オルカンにもすでに6割強の米国株が入っているからです。

両方を買うのは、米国の比率を少し高めたオルカンを自分で作っているのと同じです。管理する商品が増えるだけなので、新しく積み立てるならどちらか1本に絞ることをおすすめします。

オルカンとS&P500以外の似た商品で迷っている方は、『投資信託の比較方法|似た商品の違いをどう見分けるか』で、私が保有している商品同士の違いを解説しています。

比べるために持つなら意味はある

私のように、両方の特性を自分で確かめるために持つなら、一定の意味はあります。ただしリターンを増やす効果というより、比較のデータを手元で見られることに価値がある、という程度です。

すでに両方を持っている場合も、無理に売って整理する必要はありません。私もS&P500は売らずに持ち続け、新しく積み立てる先だけをオルカンに絞りました。


まとめ

  • 運用実績:楽天証券で積み立てた分の評価損益率は、S&P500が129.24%、オルカンが111.79%(2026年5月時点)
  • 約17ポイントの差:米国一国に集中するリスクを取った分のリターン。後悔するほどの差ではない
  • 中身の違い:オルカンにも6割強の米国株が入っており、違いは残りを世界に広げるかどうか
  • 4つの判断基準:リターンと安定のどちらを優先するか、米国経済の見通し、投資にかけたい手間、長く持ち続けられるか
  • 初心者:迷うならオルカン。1本で世界に分散でき、国の比率も自動で変わる
  • 両方買う:新しく積み立てるなら1本に絞れば十分

オルカンもS&P500も、どちらを選んでも正解です。大事なのは目先のリターンではなく、自分が納得して長く持ち続けられる方を選ぶこと。

選ぶファンドが決まったら、次は口座の準備です。口座開設から積立設定までの流れは『新NISAの始め方|口座開設で失敗しないための全手順』にまとめています。

新NISAの制度そのものや、つみたて投資枠と成長投資枠の使い分けは『新NISAとは?旧NISAとの違いと2つの投資枠の使い分け』で解説しています。

少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

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